顔のない男、清廉騎士カリスト・・・面倒なことを

大いなる災いとの一戦も終わり、試験も終わり、
しばらくはのんびり出来るか、と思っていたのですがね。
ふむ、そう上手くは行かない、ということですか。

卒業生の方々が向かった欧州で、何やらデカイ事が起きているようです。
それも、世界結界を揺るがすような、どでかい事が。

銀誓館を狙った策や、自陣の強化が狙いならばまだ良いものを、
・・・よりにもよって、狙いはそっちでしたか。
それにしても、嫌な所を突いてきたものですよ、本当に。

能力者からすれば、世界結界の持つ常識の力は、大きな足かせであるのは確かです。
もし、完全に世界結界が崩壊したとなれば、
ゴーストを含む敵対勢力はもちろん、我々の力も増すことでしょう。
現状以上の力が手に入らなくとも、能力者の絶対数は増えるわけですから。

・・・ですが、ね。
ゴーストの件を抜きにしても、枷が無くなることは、良いことばかりでは無い。
言ってみれば、一般道全てがＦ１サーキットとなるようなものですからね。

Ａ級ライセンスも持たずにＦ１カーに乗ればどうなるか、そんなのは子供でもわかります。
そんな輩が、世界中に溢れたら・・・考えるだけで、嫌になる。
ヤツらの計画が実現すれば、待っている未来はこの比じゃあない。

どうなることやら・・・と、気をもんでばかりもいられませんね。
さて、今のうちにやれることはやっておきますか。
のんびりするのは、後の楽しみに取っておきましょう。