一人黙示録

いよいよ、ですか。
明日のＢＣで恐らく、私はイセスさんと戦うことになるでしょう。
しかし・・・不思議ですね。

イセスさんが私と同じく、単騎での参戦を決めた時、
・・・私の血は、どれほど滾ったことでしょうか。
あれはまだ、私が今よりも未熟だった頃の話ですよ。

勝てる見込みがあったのか、
そう聞かれれば、間違いなく、ノーと答えていたでしょうね。
気魄型の私にとって、
貴種ヴァンパイアのイセスさんと、サキュバスのアルケミラさんは、
天敵と言って差し支えない。

なのにどうしてか・・・戦いたいと、自然に思っていました。

・・・負ける目のある勝負は、しない主義なんですが、ね。
我ながら、本当に不思議なものです。
ですが・・・そうですね、この感覚は、なかなかに悪くない。


この戦い、勝ち抜けば、次は水上さんとも当たるんでしたね。
なら・・・イセスさんと言えど、勝ちを譲るわけには行きません。
いや、水上さんの事がなかったとしても、
きっとイセスさんも、私と同じ気持ちだったでしょう。

戦いたい、だけではない、勝ちたいのだ、と。


さて、それじゃあ一つ、勝ちに行きますか。


――「・・・変身ッ！」――


・・・・・・いや、違うな。
・・・・・・あの二人と戦うなら、こっちの方が相応しい。


――「疫神招来、牛頭天王っと」――










ま、たまにゃ楽しんでやり合うっつのも、悪かぁねぇだろ？
全力で行かせてもらう、俺は勝つのが好きなんでね・・・！